7月17日 浦上教会に寄贈された鐘の祝福式

 今年の長崎原爆忌、80年ぶりに浦上教会の大小1対の鐘が平和の音を響かせる―。

 1945年8月9日、原爆投下によって浦上教会の小鐘は大破した。大鐘の方はがれきの中から見つかり、現在も南側の鐘楼で祈りの時を告げている。大破した小鐘は現在その時の姿のまま同教会原爆遺物展示室に保存され、このことを知ったアメリカの人々がこのほど小鐘と同型の鐘を復元し、浦上教会に寄贈した。

 鐘の寄贈は、米国ウィリアムズ大学のジェームズ・ロウリー・ノーラン・ジュニア教授がプロジェクトを主導し、米国のカトリック信徒らの寄付協力によって実現したもの。ノーラン氏は2023年に長崎を訪れた際、浦上教会信徒の森内浩二郎さんと鐘について話を交わす中で、寄贈することを申し出たという。

 アメリカから日本に渡り5月1日(木)に長崎入りした鐘は、15日(木)長崎大司教館で開かれた記者会見( 教区ブログのページへ )においてメディア関係者に披露された。また、5月24日(土)から6月1日(日)まで浦上教会原爆遺物展示室で一般公開され、9日間でのべ6,870人が来場。その後、鐘は業者のもとで鐘楼への設置のための調整が施され、教会北側の鐘楼に設置する準備が予定通り進んだ。

 7月17日(木)10時から浦上教会で、鐘楼への設置の前に「鐘の祝福式」が行われた。式は中村倫明大司教の司式により行われ、来日したノーラン氏、森内さん、長崎大司教区と浦上教会の関係者ら多くの方々が鐘の祝福を見守った。鐘は、この日の午後3時頃に浦上教会の北側の鐘楼におさめられた。戦後80年の今年、8月9日(土)11時02分に初めて平和の祈りの音色が響く。

         

 写真説明…▼祝福式当日の浦上教会 ▼祝福式の様子 ▼鐘に灌水し、その後、献香 ▼式の後にあいさつする浦上教会の山村憲一主任神父、ノーラン氏、森内さん ▼寄贈された鐘。名称は『希望の聖カテリ』の鐘 ▼浦上教会の北側の鐘楼に鐘がおさめられる様子

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