11月27日更新 「核兵器禁止条約第2回締約国会議を支持する声明」を発表しました

 11月27日から12月1日まで、米ニューヨークの国連本部で核兵器禁止条約の第2回締約国会議が行われます。これに関連し、中村倫明大司教からお知らせが出されましたので、皆様にお伝えいたします。


長崎教区の皆さまへ

 「核兵器のない世界のためのパートナーシップ」の4教区は、第2回締約国会議への支持を表明する声明を出しました。

 長崎教区の皆さま方も、第2回締約国会議にあわせて、今回の会議が核兵器廃絶に向けて大きな成果をもたらすことができますようにお祈りください。合わせて、会議に不参加を示している日本政府が、一日も早く積極的に参加し核兵器廃絶と世界平和のためにリーダーシップを取りますように、また現在戦いを行っている国が核兵器を使用することがないようにだけでなく、戦争そのものが終結するようにもお祈りください。

2023年11月27日

カトリック長崎大司教区
大司教 ペトロ中村倫明


■ 以下、2023年11月27日付文書(日本語)

 

核兵器禁止条約第2回締約国会議を支持する声明

2023年11月27日

被爆78年を迎えた長崎で、私たちカトリック教会の指導者は、核軍縮に取り組むための永続的なパートナーシップを正式に結びました。私たちの4教区には、核兵器発祥の地(サンタフェ大司教区)、米国で最も核兵器が配備されている場所(シアトル大司教区)、そして今日まで悲惨な原爆攻撃を受けた唯2つの都市(広島教区と長崎大司教区)が含まれています。こうした核兵器に関連する諸問題との直接的なつながり故に、私たちは、11月27日から12月1日までニューヨークの国連で開催される「核兵器禁止条約第2回締約国会議」への強い支持を表明します。

2017年7月、バチカンはこの条約に署名した最初の国家となりました。この条約は、化学兵器や生物兵器など他の大量破壊兵器を禁止する長年受け入れられてきた条約のように、核兵器を禁止するものです。核兵器禁止条約は現在、93カ国が署名し、69カ国が批准しています。

私たちは、核兵器保有国が、1970年の核拡散防止条約(NPT)の下で世界的な核軍縮につながる真剣な交渉に入るという長年の義務を一度も果たしていないということを指摘し、確認します。2023年5月、広島で開催された主要7カ国首脳会議(G7)に集まった指導者たちに、この約束を守り、他の指導者たちを説得するよう呼びかけました。しかし、私たちが発信した希望のメッセージは彼らの耳に届かず、何の反応も得られませんでした。

対照的に、2021年1月の核兵器禁止条約の発効は、平和の光への大きな一歩であり、核兵器による世界消滅の脅威のない世界を求める人々に希望をもたらしました。核保有国には、世界の大多数の声に耳を傾け、核保有国を率いる9人の指導者のうちの誰かの気まぐれで存亡の危機にさらされる人々の声に耳を傾ける道義的義務があると信じます。ウクライナをめぐるロシアの核兵器使用の脅しはこのことを明確に示していますし、中東で進行中の危機はそのリスクをさらにエスカレートさせています。一方、核兵器保有国は、核兵器を永久に保持するための大規模な「近代化」計画に取り組んでいます。

核兵器禁止条約の国際的な法的効力は、条約に正式に加盟した国に限られます。しかし、その道義的な力は、国境や地図上の線引きを認めません。この条約の道義的な力はグローバルで普遍的なものなのです。

第2回締約国会議では、核兵器の使用や実験によって影響を受けてきた人々の声とともに、条約に参加した国々の声が届けられます。この第2回締約国会議は、希望、光、そして核兵器のない世界への旅路のもう一つの歴史的な一歩なのです。

2019年、広島平和記念公園で、教皇フランシスコは「核兵器の保有は、それ自体が倫理に反しています」と宣言しました。また、長崎の爆心地では、「(カトリック教会は)核兵器禁止条約を含め、核軍縮と核不拡散に関する主要な国際条約に則り、たゆむことなく、迅速に行動し、訴えていきます」と述べました。

普遍的で検証可能な核軍縮に取り組みながら、この条約を支持することは、私たちの教区の義務です。私たちは、核兵器禁止条約第2回締約国会議を強く支持します。

さらに私たちは、世界の指導者たちに対し、原爆投下から80年を迎えるまでに、核軍縮に向けた計測可能な進展を示すよう特に要請します。核兵器の人類への深刻な悪影響が増大しています。2025年8月は、世界の指導者たちが、約束されながら先延ばしにされてきた核軍縮の進展について説明責任を果たす適切な時となるでしょう。

平和のため、癒しのため、行動のために、私たちが祈り続けていることを知ってください。

サンタフェ大司教 ジョン・C・ウェスター
シアトル大司教 ポール・D・エチエン
長崎大司教 ペトロ中村倫明
広島司教 アレキシオ白浜満
長崎名誉大司教 ヨセフ髙見三明

追記 サンタフェのジョン・C・ウェスター大司教は、11月29日から12月1日まで国連で開催される核兵器禁止条約第2回締約国会議に出席します。また、11月29日(水)午後6時から、国連近くのニューヨーク市パーク・アベニュー59番地38番街にある「私たちの救い主」教会で捧げられるミサの中で、説教を行います。

■2023年11月27日付文書(英語) 20231127 Statement in Support of the Second Meeting of State Parties to the Treaty on the Prohibition of Nuclear Weapons.pdf


 

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