カトリック長崎大司教区


教皇ベネディクト十六世の突然の辞任発表を受けて

2013年2月12日 午前10時

教皇ベネディクト十六世の突然の辞任発表を受けて

カトリック長崎大司教 髙見 三明

≪事実関係≫ まず、2月11日、昨日の夜8時35分ころ、ローマから電話を受けました。日本カトリック司教協議会ローマ事務所長和田誠(わだ まこと)神父からでした。それによると、教皇様が、今月28日をもって、教皇職を退かれる、との発表がなされた、ということでした。
今朝のカトリック新聞のオンライン(カトリック中央協議会HP)によれば、教皇は昨日の(おそらく昼前に)枢機卿会議で辞任を発表され、教皇職を続けるためには十分な体力がなくなったことを理由の一つに挙げられ、今月28日の午後8時をもって空位になると話されたようです。それを受けてバチカンの報道官が公表したということのようです。

≪コメント≫
600年ぶりの例外的なことですから、まさに寝耳に水の情報で、大変驚きました。和田神父が言うには、教皇ご自身のことばとして、教皇は身体的にも精神的にも強くなければならない、ということだそうです。それは、うなずけますし、その通りだと思います。しかし、前任者のヨハネ・パウロ二世教皇は、パーキンソンを患い、普通の生活をする上でも不自由だったでしょうに、最期まで務められました。教皇ベネディクト十六世は、映像で見る限り最近めっきり弱られたという印象を持っておりましたが、よほど大きな精神的な重圧に、もはや限界だと感じられ、もっと若い力強い後継者に譲るのが賢明だと判断されたものと推測します。
 2010年4月21日に被爆マリア像を教皇様にお見せして、祝福をしていただきました。その時どの程度、戦争、原爆、平和のことを思いめぐらされたかはわかりませんが、神妙な表情をしながら祝福の祈りを唱えてくださったことが印象に残っております。
 人間的に見ると、78歳になってから全世界のカトリック教会の最高責任者に選ばれたわけですから、同情できます。普通であれば、ヨハネ・パウロ教皇のもとで四半世もの間教会の教えに関する責任を担われたわけですから、その教皇のご逝去と機に引退して、ゆっくりと余生を送るつもりでおられたことでしょう。
 教皇職を引き受けた当初から、精神的にも肉体的にも大きな重圧のもとにおられたと思います。就任後間もなく、イスラームに関する発言が問題となったり、その後も教会内部のさまざまな問題に加えて地域紛争や国家間の紛争に教会が巻き込まれる問題などに対応しなければならなかったりで、高齢の教皇には、適正に任務を果たすには荷が大きすぎると感じられたのだと思います。知的才能に恵まれ、現代の教会が必要としている教皇だと思っておりましたので、道半ばで辞任されることは残念に思います。しかし、今となっては、新しい教皇の選出に期待をし、引退を表明された現教皇には心もからだもゆっくり休めて、末永く教会の成り行きを見守っていただきたいと思います。

 

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