カトリック長崎大司教区


2015年 12月 9日

12月9日更新 いつくしみの特別聖年の過ごし方(髙見三明大司教より)

Topics, by 広報委員会.

いつくしみの特別聖年の過ごし方
カトリック長崎大司教区
大司教 ヨセフ 髙見 三明
2015年12月8日(火)~2016年11月20日(日)

 

 フランシスコ教皇様は、2015年4月11日(土)、「神のいつくしみの主日」の「前晩の祈り」の折に、2015年12月8日(無原罪の聖母の祭日)~2016年11月20日(王であるキリストの主日)を「いつくしみの特別聖年 Jubilaeus Extraordinarius Misericordiae」と定めると公表されました。同じ日付で、いつくしみの特別聖年公布の大勅書『イエス・キリスト、父のいつくしみのみ顔』(カトリック中央協議会、2015年7月発行。以下「大勅書」)が公布されました。

 12月8日は「無原罪の聖マリア」の祭日です。神のいつくしみが最も力強く効果的に示されるキリストの誕生および死と復活を準備するために、神はマリアを備えてくださいました。ある意味で、神のいつくしみの計画の出発点にある、この祭日が、いつくしみの特別聖年の出発点となるよう祈りたいと思います(大勅書3)。

 2015年12月8日は、第二バチカン公会議が閉幕してちょうど50年目に当たります。公会議で打ち出された刷新は半世紀たってもまだ道半ばの観がありますし、むしろ問題がますます増え、複雑になってきています。このような時代にあって、わたしたちキリスト信者は、特権や厳格さをいつくしみに転換し、現代の人々に神のいつくしみを実際に伝えるようにならなければならないのです(大勅書4)。

 わたしたちの教区においては、教区シノドスの提言の実施と合わせて、この特別聖年をより有意義に過ごすために、以下のような要領で過ごすよう努めていきたいと思います。

 

1. 特別聖年公布の大勅書を熟読玩味する

 教皇様は、大勅書の中で、この特別聖年の趣旨や目的を述べておられます。ですから、まずこの冊子を繰り返しよく読むことをお勧めします。個人的に読むだけでなく、小教区内の地区や班、あるいは修道院や会や団体ごとに一緒に読んで分かち合いをすることをお勧めします。分かち合うのは、内容を取り違えたりしないで、互いによく理解し、確認し合うためです。

 

2. いつくしみの扉(門)を通って出入りする

(1) 聖なる扉

 教皇様は、2015年12月8日に聖ペトロ大聖堂の聖なる門(Porta Sancta)を開き、13日にはローマ教区の司教座聖堂であるラテラノの洗礼者聖ヨハネ大聖堂の聖なる門を開かれます。同じ日に、城壁外の聖パウロ大聖堂と聖マリア大聖堂の聖なる扉が開かれます。
(2) いつくしみの扉

 全世界のすべての司教座教会では、12月13日に「いつくしみの扉 Porta Misericordiae」が開かれます。

 長崎教区においても、浦上教会と他の6つの地区長教会、大浦教会と聖フィリッポ教会(日本カトリック長崎・西坂巡礼所)で「いつくしみの扉」が開かれます。

 これからのおよそ1年間、このいつくしみの扉を通って出入りしながら、いつくしみの恵みをいただき、教区シノドスを実施し、他の人々と分かち合うことによって霊的刷新を行いたいものです。

 

3. 巡礼指定教会を巡礼して祈る

 長崎教区で、12月13日(日)に「いつくしみの扉」が開かれる教会は下記の通りです。同時に、これらの教会を巡礼指定教会とします。

 また、聖書を読んで神のことばに親しみ、ゆるしの秘跡をより頻繁に受けるように努めましょう。

 

① 浦上司教座教会(カテドラル)
② 中町教会
③ 滑石教会
④ 相浦教会
⑤ 平戸ザビエル記念教会
⑥ 青方教会
⑦ 福江教会
⑧ 大浦教会
⑨ 聖フィリッポ教会(日本カトリック長崎・西坂巡礼所)

 

4. 免償を受ける(大勅書22)
(1) 免償とは

 免償とは、すでに赦された罪に伴う有限の罰の免除(軽減)です。信者は、一定の条件を果たすとき、これを自分のために、また死者のために、教会の奉仕職を通して獲得します(『カトリック教会のカテキズム要約(コンペンディウム)』312、『カトリック教会の教え』220~221頁参照)。

 神のいつくしみは、人間を受け入れ、赦し、犯した罪を完全に忘れてくださる御父のみ顔のうちに、人間一人ひとりに訪れます。免償を体験し、得るために、信者は、真の回心を心の底から望んでいることの表れとして、すべての司教座聖堂、教区司教によって指定された教会、そしてローマの4大聖堂(バジリカ)の中で開かれる「聖なる扉」を小巡礼するよう招かれています(大勅書3,14)。

 

(2) だれが?
. 免償を受けたいと望むすべてのカトリック信者

. 「聖なる扉」をくぐることができない人々

 とりわけ病者や、自宅にこもりがちな独り暮らしの高齢者にとって、主に近づく体験として自らの病気と苦しみに耐えることは、彼らにとって大きな助けとなるでしょう。主は受難と死と復活の神秘のうちに、痛みと孤独に意味を与える崇高な道を示しておられるからです。その試練の時を、信仰と喜びに満ちた希望のうちに生き、たとえさまざまなメディアを通してであっても、霊的聖体を拝領し、ミサや共同体の祈りに参加することは、彼らが免償を受けるための方法となります。

. 受刑者

 聖年には、つねに恩赦を受ける機会が制定されてきましたが、その中には、刑罰を受けるに値しながらも、自らが犯した不正義を認め、心から社会に復帰することを望み、そのために熱心に努めている多くの人々が含まれます。受刑者は刑務所の礼拝堂で免償を受けることができます。自室の入り口を通るたびに自らの思いと祈りを御父に向ける姿勢が、彼らにとって、聖なる扉をくぐることを意味するものとなりますように。神のいつくしみは、人々の心を変えることも、また服役期間を自由な体験に変えることもできるからです。

. 亡くなった方々のため

 聖年の免償は亡くなった方々のためにも受けることができます。わたしたちは、死者が残した信仰と愛のあかしによって、彼らとつながっています。したがって、ミサで死者を思い起こすたびに、聖徒の交わりの神秘のうちに死者のために祈ります。御父のいつくしみ深いみ顔が、あらゆる過ちの残存から彼らを解放し、永遠の祝福で包んでくださいますように。

. 堕胎を行った人

 教皇様は、この聖年の間、堕胎の罪についても、心から悔い改め、ゆるしを願っている人の罪をゆるす権限を、いかなる状況においても、すべての司祭に与えます。

. 聖ピオ十世会の司祭からゆるしの秘跡を受けた信者

 教皇様は、いつくしみの特別聖年の間に聖ピオ十世会の司祭からゆるしの秘跡を受けた信者の罪のゆるしを、有効かつ合法なものとすることを認めます。

 

(3) どこで?
a. 長崎教区の場合、大司教が指定した、上記の巡礼教会です。

b. 巡礼教会に行くことができない人も、それぞれの場で受けることができます。

 

(4) どんな条件で?
. ゆるしの秘跡とミサに参加する

 いつくしみに関する振り返りのもとに行われるゆるしの秘跡とミサと結びついていることが何よりもまず重要です。

 ゆるしの秘跡とミサへの参加は、できれば巡礼指定教会で行われることが望ましいが、それができないときは自分の小教区など、他の教会でも可能です。大切なことは実際に参加することです。

. これらの秘跡は、信仰告白(「使徒信条」あるいは「ニケア・コンスタンチノープル信条」)、教皇様のための祈りを伴う必要があります。

. 教皇の意向*のために祈る

 教皇様が教会と全世界の幸せのために心に抱いている意向のための祈りを伴う必要があります。

 

5. 「いつくしみの特別聖年のための祈り」を唱える

 個人で、家庭で、また小教区の主日のミサの時などに皆で唱えるようにしてください。

 なお、「教区シノドスの実りのための祈り」も週日のミサ、できれば主日のミサ、あるいは他の機会に唱え続けるようにいたしましょう。

 

6. 「いつくしみのわざ」を行う

 教皇様は、大勅書の中で、次のことを強調しておられます。
(1) 人を裁いたり、罪に定めたりしないこと(14, 20, 21)
(2) さまざまな傷を負いながら生きている人々に心を開き、耳を傾け、近づくこと。具体的な例として、キリシタン時代の信徒の自発的な信心会「ミゼリコルヂヤの組」、「サンタ・マリアの組」などの“慈悲の所作**”があります(15)。
(3) 他の宗教の人々と対話すること(23)。

 

 

教皇の意向
2015年
12月 神のいつくしみの体験
2106年
1月 諸宗教対話

   信仰を異にする人々の誠実な対話が、正義と平和をもたらしますように。

2月 被造物への配慮

   無償の贈り物として神から与えられた被造物を、のちの世代のために適切に守り育てていくことができますように。

3月 困難な状況にある家庭

   困難な状況にある家庭に必要な援助の手が差しのべられ、子どもたちが健全で平和な環境のうちに育ちますように。

4月 小規模農家の人々

   小規模農家の人々が、貴重な労働に対する正当な報酬を得ることができますように。

5月 女性への尊重

   いずれの国においても、女性が尊敬され、そのかけがえのない社会貢献が高く評価されますように。

6月 連帯

   たとえ世界の巨大都市にあっても、高齢となった人々、軽んじられている人々、孤独な人々が、出会いと連帯の機会に恵まれますように。

7月 先住民族

   アイデンティティばかりか、その存在自体までもが脅かされている先住民族の人々に、尊敬の念が向けられますように。

8月 スポーツ

   スポーツが友情を育むよい機会となり、世界平和に貢献することができますように。

9月 人間中心の社会

   わたしたち一人ひとりが、共通善のために、また人が常に大切にされる社会の建設のために、尽くすことができますように。

10月 ジャーナリスト

   ジャーナリストが仕事をするうえで常に真実を尊重し、倫理に忠実な姿勢を保つことができますように。

11月 難民を受け入れる国々

   移民や難民を数多く受け入れて連帯を示している国々が、その努力にふさわしい支援を見いだすことができますように。

12月 「子ども兵士」の撲滅

   「子どもの兵士」という不正な実態が、一刻も早くこの世界からなくなりますように。

 

 

** 慈悲の所作、すなわち「第一肝要の事」
≪身体に関する所作≫
一、飢えたる者に食を与える。
二、渇(かっ)したる者に飲物を飲ます。
三、裸の者に衣類を与える。
四、病人をいたわり見舞う。
五、旅人に宿を貸す。
六、囚人の身元引受人になる。
七、無縁の死骸を納骨する。

≪精神に関する所作≫
八、人に良き意見を加える。
九、無知なる人に道理を教える。
十、悲しみの者をなだめる。
十一、折檻(せっかん)すべき者を折檻する。
十二、恥辱(ちじょく)を堪忍(かんにん)する。
十三、隣人のいたらぬ事を赦す。
十四、自身に仇(あだ)をなす者と臨終(りんじゅう)時(じ)の人のために神に祈る。
(『ドチリナ・キリシタン』1592年、天草。H.チースリク監修 太田淑子編『日本史小百科 キリシタン』東京堂出版、平成11年、141頁)

なお、「ミゼリコルヂヤの組」は、1240年頃、イタリアのフィレンツェで始まり、その後ポルトガルのリスボンに本部が置かれ、そこからイエズス会宣教師によって日本に導入された。

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